車検費用見積りの実態

いつも私が乗っているクルマが来月末に車検時期を迎えます。自家用車とはいえ、毎日仕事で使用している営業車のようなもので、新車での購入から丸3年が経つ最初の車検なのです。

車検と言ってもクルマの「検査」はともかく、実際のところは自動車重量税と自賠責保険料の納付時期という意味合いが大きいと思うのですが、もちろんクルマの健康診断も必要です。

まずはクルマを購入したディーラーの営業担当に電話をして、おおよその概算をサービスフロントへ聞いてもらったのですが、これがビックリ。市場価格と大きくかけ離れているのです。ったく・・これまで何台クルマを購入したことか。相変わらず旧態依然とした業界のようです。

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予想していたとはいえ、チョッと高すぎるのでいくつかの見積りを取ってみることにしました。素人ながらも運転し始めて30年。毎日乗っていれば、クルマの不具合は音や匂い、さらに振動や揺れなどで大体分かります。今のクルマはおそらく問題となるような不具合は無いはず。

さっそく昨日に「某所A」へ飛び込んで見積りを依頼。待たされること約40分で概算書を提示されました。あちこち回るのも面倒なので、よほどのことが無い限りお願いしようという腹積もりでいたのですが、残念ながら気になる点が散見され、本日に「某所B」でも見積りを取るはめに。

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結果、3万円の違いが出たのです。税金などの法定費用はもちろん両者ともまったく同じですので、それ以外の部分で差が出たわけですが、金額の違いは別としても「某所A」で気になった点は、まず重量税の金額が不確定だと言うのです。え?なにそれ。確かに現在は重量税の減税措置が行われており、特に該当車種は半額やそれ以上の割引になるケースもあるようです。

すぐには分からないので調べてお電話しますとのことで、結局は夕方に連絡が来たのですが、念のため私も夜に国土交通省のホームページで調べてみたところ、10分で判明しました。

それともう一点。断りもなく車検証のコピーを取られていたことです。何も言いませんでしたが、これは特に私の従事している業界では考えられないことで、個人情報の無断取得です。

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案の定、「某所A」の見積り書の裏は白紙で、「某所B」の見積書の裏にはきちんと「個人情報保護宣言」が記されています。その他、Aでは「下回り塗装」が必要だと、まるでディーラーと同じようなことを言ってくるのに対して、Bでは、距離のわりに不具合は見られないので、今回の処置は特に必要無しと。あくまでも交換のお勧め項目として優先順位をつけて記載いたしますとのこと。

さて、どちらが誠実で私の心を捉えたのでしょう。仮にAとBの見積り金額が逆であっても、結果的にBを選択したかもしれませんが、今回の勝負はすでに大差がついてしまったようです。

よく、値引き額で誠意を表してよ、などという言葉も聞かれますが、やはり人間対人間。値引きよりも重要なのは「誠実な取引プロセス」なのかもしれません。今回のことはたまたま私がお客様の立場で偶然にも遭遇したことですが、ある意味非常に身の引き締まる思いで、とても良い経験でした。

売上至上主義。相変わらず油断も隙もない世の中です。売る側は自分たちを「プロ」だと誤認しているのかもしれませんが、実のところ、買う側は何十年と消費者を続けている「お客のプロ」なのです。そこをよく理解していない商売人が多いことに、閉口するのであります。