文化横丁 祥発順

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ひと昔前に比べると、中央通りや一番町は少しずつ様変わりしている仙台ですが、南町通りから青葉通りまでの一番町2丁目界隈は、未だに昔の雰囲気が感じられる場所かもしれません。それはなんと言っても「文化横丁」と「壱弐参横丁」という二つの横丁の存在が大きいでしょう。

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これらの横丁を隅々まで探検するだけで専用のサイトが立ち上がるくらい、冒険心をかきたてられる実に面白そうな場所なのですが、横丁の歴史と共に老舗組が多いのも特徴のようです。

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ここ文化横丁にたたずむ中華料理店「祥発順(しょうはつじゅん)」。めんたんぴん祥発順!と言うと麻雀の上がり役のようにも聞こえてしまうこのお店は、戦後まもない昭和21年の創業だそうですから、すでに60数年も続く仙台でも老舗の飲食店の一つと言えるのかもしれません。

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この横丁界隈では珍しい一棟建ての中華料理店である「祥発順」は、その店構えからして高級そうに見えたためか、学生時代にこの辺りで遊んでいた私は入店する勇気がなかったのです。

たまのランチでお邪魔するようになったのは社会人になってからですが、それでも二十数年ほど前の「昭和」の時代だったわけで、久々に訪れたこのお店は昭和の当時そのまんまでした。

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現在は三代目の経営だという「祥発順」は、昔と変わらず白の給仕服を身に着けた女性の給仕担当、コストを考えれば真っ先に削られるはずの店名入り三角紙ナプキン、全席に備え付けられた大ぶりの灰皿など、良い意味で何も変わっておらず、店内に入ると心が和むのです。

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変わる良さと変わらぬ良さ。飲食店を永く続けるというのは並大抵のことではないのでしょうが、親子代々で訪れる人も少なくないというこのお店。変える事と変えない事の事業仕分けが的確に行われた結果、今もこうして営業を続けておられることに感服せざるを得ないのです。