塩釜フローレンス

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その昔、中央通りを佐々重ビルから西へ入って藤崎手前の路地を右に折れたあたりのビルの地下に、「フローレンス」というイタリアンレストランがありました。以前そのことを記事にした際に、コメントをお寄せくださった方がその後の移転場所を教えてくださり、先日ついに行ってまいりました。

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以前から塩釜神社の近くに移転したという情報は得ていたのですが、塩釜の地理にさほど明るくない私はコメントをくださった方からの詳しい情報に助けられ、ナビでたどり着いたのでした。

場所は本当に塩釜神社のすぐ近くで、神社の駐車場手前に実に懐かしい見慣れた看板を見つけることができたので意外にもすぐに分かりましたが、ふだんこの道はなかなか通らないでしょう。

険しい石段を登ると、戸建でレストラン風の建物がありました。なんとなく異国の郊外レストラン的な雰囲気ですが、はたしてここなのでしょうか。入り口には、「フローレンス」とあります。

おそるおそる店内に足を踏み入れると、いらっしゃいませ、とドスの効いた声で迎えられます。あらら?昔の地下室にあった時のお店とは大違いで、何やらリゾートの雰囲気さえ漂っています。これには正直なところビックリ。はたしてここが、あの「フローレンス」なのでしょうか・・。

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どうやら間違いなさそうです。比較的高台に位置するお店の立地と、ガラス面が大きくとられたレイアウトの恩恵で、中庭やら市街地を展望できる実に素晴らしいロケーション。たまたま他にお客様もいなかったので、カウンターへ移動してマスターとお話しさせていただきました。

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ブルースをこよなく愛する個性的なマスターによると、昔の場所にお店を開いたのが35年ほど前で、その後141ビルに移り、2年ほど前この地に落ち着いたのだそうです。以前に比べればはるかに少ない来店客のために、現在はすべてを一人でこなしているそうで、それが今の自分にはちょうど良いペースなのだと、趣味の事でも語るかのように話してくださいました。

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一人だから忙し過ぎても大変なんだよと、なんだかヤル気があるんだか無いんだか、といった感じなのですが、遠くから急に来てくれる人もいるからと、なんとこの2年間は一度もお店を休んだことが無いのだそうです。これには驚きましたが、カタブツで強面にも見えるこのマスターは、おそらく今でもお客様に自分の料理を食べて喜んでもらうのが生きがいなのかもしれません。

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仙台市街地の中心部から塩釜の高台へ移転していた「フローレンス」。この忙しい師走の時期に、昔を思い出す懐かしさとともに、安らぎを与えていただきました。私よりひと回り以上も人生経験のあるマスターが作り出すイタリアン。たぶんあと5年は店をやるよ、という言葉を信じて、今度は夜にでも何人かでひやかしに行ってみようかと、そんな事を思いながらお店を後にしました。