とんかつ庄内

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「とんかつ」。それは空腹を満たすためだけに存在するのではありません。サクサクの衣をまとった熱々の肉は自らその旨みを内に秘め、食する者を至福の時へと誘ってくれるのです。

とかなんとか言ってはみたものの、実は「とんかつ」を食べる頻度は歳を追うごとに少なくなってきているのですが、それは油モノを大量に食べると胸焼けするようになったからなのです。しかし、今もなお数ある豚肉料理のなかでは、最も肉の旨みを感じる調理方法だと信じて疑いません。

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仙台にはとんかつの専門店がいくつかあり、その規模も大型店から小型店までさまざまです。「さぼてん」や「和幸」といったおなじみのナショナルチェーンや、地元でチェーン展開しているお店、また古くから地元に根ざしているお店など、その形態は違えど皆とんかつのプロなのです。

さて、若林交差点の北西角にお店を構える「庄内」。仙台では老舗のとんかつ屋さんと言って良いでしょう。一番町の「とんかつ大町」とどちらが古いのかは知りませんが、庄内は今年で33年目を迎えるそうですから、この界隈ではハンバーグの馬梨邑といい勝負かもしれません。

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特選ロースかつではなく、普通のロースをお願いしましたがこれで十分です。調子に乗ってこれ以上の大型メニューを平らげると後で大変なことになりますので、これがちょうど美味しい量なのです。

「肉らしいほどやわらかい」というのが庄内のキャッチコピーですが、確かにこちらのとんかつは真ん中から端の部分まで、すべてやわらかくいただくことができます。子供の頃は美味しいところを最後に残す自分でしたが、もうずいぶん前から、最初に一番食べたいところから。甘口のソースをとんかつとキャベツにかけて、からしをチョッと付けてさっそくいただくのです。

どんな食べ物でもそうですが、この「ひと口目の幸せ」を感じる大きさというものは、もしかしたらとんかつが一番かもしれないなどと思ったりするくらい、最初のひと口は至福の瞬間です。

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いい意味で「昭和」の面影を少し残すこのお店は、とんかつメインの洋食屋といった雰囲気もあり、メニューにはスパゲッティからハンバーグまで取り揃えています。またお得な日替りランチも用意してあり、確か水曜日が「ロースかつ」だったはずで、以前は水曜の昼に通ったものです。

今は2、3ヶ月に一度の「とんかつ」ですが、やはり美味しい食べ物です。ここ庄内と同じように昔から何度か通った北目町「かつせい」の「特ロース」も、今や全国的な話題になっているようです。ブログを始めてからは伺っていませんので、機会があればカメラを持参して行きたいものです。