レストラン シェフ 2

私が生まれた田舎町には「レストラン」などという高尚な食事処はありませんでしたので、子供の頃からその響きにはどこか別世界のような憧れの感情を持っていたように記憶しています。

やがて大人になる過程のなかで、少しずつ様々な食事処で食べる機会も増えていくのですが、今もなお「レストラン」というカテゴリーのお店に入るたびに子供時代の自分を思い出します。

考えてみれば、「食」が関係するテレビ番組にも興味があり、遠い昔には「前略おふくろ様」というテレビドラマで、ショーケンが演じた板前姿を食い入るように視ていたのを憶えています。

また、「料理の鉄人」はもちろん「王様のレストラン」や「ランチの女王」、近年では「おせん」や「バンビーノ」など、厨房や客席が映し出されるドラマは無条件に視聴対象となったわけです。

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前置きが長くなりましたが、先日久々に「レストラン」へ行ってまいりました。チョッとした会合の後に、昼食をゆっくりと静かに食べられる場所でということになり、ここが選ばれたのです。

泉区長命ヶ丘にお店を構える「レストラン シェフ2」という、実にベタでストレートな店名なのですが、価格のわりにお得な内容だという噂は聞いていましたので、とても楽しみにして訪れました。

いただいたのはセレクションランチと呼ばれるもので、前菜からスープ、メイン、そしてデザートに至るまで、文字通りいくつかの中から選ぶことができるシステムで、お値段は1,575円です。

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ビジネス用語、特に不動産や会計業界でよく使われる言葉に「等価交換」というものがあります。意味はそのままで、等しい価値のものをお互いに交換することなのですが、これを私たちの消費に置き換えて考えてみると、例えば千円を支払う代わりに千円に値する価値を手に入れるということになるわけですが、ここでお互いの価値観にズレが生じる場合があります。

お店側では「これは千円をいただく価値があるはずだ」と思って価格を付けても、「これで千円とは冗談じゃない」と感じる人や、「これで千円とはバーゲン価格だ」と感じる人もいるのでしょう。

結局は消費する側の価値観にゆだねられるのだろうと思いますが、たとえ絶対価格が高くとも、それ以上の価値を感じられれば私たちは「安い!」と喜ぶことになるのだろうと思います。

正直なところ、昼食に1,500円は決して安くない予算だと私は思うのですが、このレストランの料理をすべて食べ終わった時点では、「これは安い!」と心の中で叫んでいたのです。要は支払う以上の価値を感じた場合に私たちは満足し、逆の場合には「しまった・・」と後悔するのでしょう。

一品ずつ料理の説明も付け加えてくださるスタッフの皆さんも実に心地良く、大変美味しい時間を過ごすことができました。この日の新たな発見は「カリフラワーのポタージュ」だったのですが、正直なところ、私のバカ舌と喫煙者の鼻ではカリフラワーの風味を見つけることはできませんでした。

青葉区二日町にもお店があるようで、機会があれば是非そちらにも足を運んでみようと思います。