いさわ食堂

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いつもクルマで通るたびに気になっていた「食堂」があったのですが、そこには残念ながら駐車場がなさそうで、いつか自転車の時にでも寄ってみようと思っていたのです。それが「いさわ食堂」。

住所は青葉区柏木で、大学病院から輪王寺方面へ拡張された道路の東側にたたずむ中華飯店です。以前に書かせていただいた「武屋食堂」のように、この今、あえて「食堂」という名詞を店名に用いてイメージ付けを図るお店もある一方で、こちらはおそらく創業から「いさわ食堂」なのでしょう。

お聞きしてみたところ、来年で創業30年だそうです。以前は道路から2軒目だったのが、拡張されて道路に面してしまいましたと、初老のお母さんが照れながらおっしゃっておられました。店内は意外に狭く、4人掛けのテーブルが2つとカウンターに4席の計12名で満席です。

まさに絵に描いたような街の中華食堂で、私が伺ったのは14時ごろでしたが、それでも2人組のサラリーマンと学生さんが食事中でしたから、おそらくお昼時は座れない場合もあるのかもしれません。長きにわたり、ご近所の方々やお馴染みさん達の胃袋を満たしてきたのでしょう。

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いただいたのはご覧の「カニチャーハン」で、たまごスープ付き650円。お店は初老のご夫婦と息子さんと思しき若旦那さんとの家族運営で、主に若旦那さんが調理を担当しておられる様子を見ると、無事に世代交代を果たそうとしているのかもしれないと感じさせるのでした。

店内のメニューをながめてみると、ラーメン類から定食類、一品料理まで最高価格は750円までで、カニチャーハンの650円も含めて未だにリーズナブルな食堂価格が維持されています。

チャーハン自体が久々だったのですが、油の使い方が絶妙のこちらのカニチャーハンは実に香ばしくてとても美味しく、てっぺんに盛られているカニの量もケチっていないのが嬉しいところです。自分で作ろうとすると簡単そうで難しいチャーハンは、腕の見せ所かもしれません。スープのレンゲに加えてチャーハン用にスプーンが添えられているのも微笑ましい配慮。

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まだ食べたいメニューが多く残っている「いさわ食堂」。またいずれ近いうちに伺うことになりそうですが、何と言ってもお店を切り盛りするご家族の温かい雰囲気がとても印象的でした。

洒落たレストランも良いのですが、こういった昔ながらの食堂も貴重な存在です。息子さんが中華鍋を振っておられる姿を見ると、さらに数十年間は私たちの胃袋を支えてくれそうです。