東龍門の五目焼そば

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「仙台五目あんかけ協議会」の調べによると、メニューに「五目焼そば」と書いてあった場合は、96%の確率で「五目あんかけ焼そば」である場合が多く、特に中華料理店の場合にはその確率は99.7%に跳ね上がるという調査結果が出ています。このお店も見事「あんかけ」です。

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東京エレクトロンホール宮城、旧宮城県民会館の2階にお店を構える「東龍門」。かつて青葉通りにあった「中國酒家」なき今、仙台でも老舗組に数えられる中華料理店かもしれません。

この場所柄か、お昼の店内は近隣の社会人であふれ、午後や夕方からは年配のご婦人方の姿も多く見られるようで、おそらく往年のファンの方も多いのではないかと感じらます。

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先週は「メディアテーク」に行く用事が多かったので、数年ぶりでお昼を食べに寄ってみました。もちろんお目当ては、1階の入り口付近でも堂々と案内されている「五目焼そば」であります。

こちらの「東龍門」。この場所にお店を構えてどのくらい経つのでしょうか。以前は東口にお店を構えており、その後ここに移転したというような話しをずいぶん昔に聞いたような気がしますが、私はここの場所での営業しか記憶にありません。少なくとも二十数年は経つでしょうか。

その証拠に、店内は良い意味で当時のデザインのままです。つまり「昭和」の様相なのです。650円という価格にもかかわらず提供される「おしぼり」。大きなテーブルの上に用意された各種調味料。お冷も積極的にサービスしてくださり、てきぱき動くウエイトレスの皆さんなど。

極めつけは何と言っても店頭のショーケースでしょう。「末広本店」や現在新築中の南町通り「泰陽楼」など、今やコレを拝見できるお店は数少なくなりました。昨今は店内でテーブルに着席してから立派なメニューをながめてオーダーする時代ですが、昔は店先のショーケースで決めてから店内に入り、入り口付近のレジで食券を買い、席に着いてからウエイトレスさんに半券を渡すというシステムだったのです。つまりショーケースは必須。

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もちろん今の「東龍門」では席に着いてからゆっくりメニューをながめることが出来るのですが、この日はほとんどの人が「五目焼そば」を注文していたようで、もはやこのお店の名物料理と言えるのかもしれませんが、夜は本格的な中華も堪能できそうで、そちらも興味津々なのです。

人気に裏打ちされた東龍門の五目焼そばは、ボリューム満点かつ麺の焼入れ具合も絶妙で、大変美味しくいただきました。これで650円は「顧客への愛」としか表現しようがありません。