島金商店の石巻焼きそば

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ソースの小袋すら付いておらず、一見なんの変哲もない個別包装された98円の焼きそば。これが今我が家で静かなブームになっている、かの「石巻焼きそば」の正体であります。

中華料理店で「五目(餡かけ)焼きそば」を頼むと、ほとんどのお店では普通の薄黄色の中華麺ですが、少し本格的なお店などでは茶色い麺で出てくることがあります。これがいわゆる「蒸し麺」だということは以前にテレビ等で観たことがあったのですが、おそらく手間がかかるのでしょうか、仙台でもこの茶色の蒸し麺で五目焼きそばを出してくれるお店は、ホテル内の中華料理店や、その他若干程度ではないかと思われますが、これが美味しくて私は好物なのです。

お恥ずかしながら最近知ったことなのですが、石巻では昔からこの茶色の蒸し麺が焼きそばの麺としては定番中の定番なのだとか。石巻の方々は美味しい魚以外に美味しい焼きそばも普通のこととして食されていたのですね。蒸し麺好きとしてはまったくうらやましい限りです。

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さて、写真の焼きそばは、昭和25年に創業した地元石巻の「有限会社 島金商店」という製麺会社で作っている「せいろ二度蒸し焼きそば」で、石巻のイオンで購入してきたもの。こちらの会社では、昭和28年頃の焼きそばの製造開始当初からせいろで蒸し上げる製法を用い、「二度蒸し」と言われる手間を施して香ばしさと自然な茶色を引き出しているのだそうです。

この麺のひとつの特徴は、調理する時も食べる時もべとつかないということだと思います。これは少し調べてみたところ、一般的な中華麺は強力粉と呼ばれる粘りの強い小麦粉を用いて作られる一方で、石巻焼きそばでは「中力粉(普通粉)」と呼ばれるやや粘りの弱い小麦粉を用いて麺を作るというところに起因しているのかもしれません。さらに二度蒸しすることによって麺が茶色くなり、この香りとサラリとした食感を生み出すのだそうです。なるほどそうですか。

この石巻焼きそば。仙台では以前ヨークベニマルで見かけたことがありましたが、今はなかなか手に入りません。よって、石巻に行くたびに必ず買って帰るモノになってしまいました。

富士宮焼きそばも麺に特筆すべき特徴がありますが、個人的には富士宮や横手の焼きそばよりも確実にこちらが好みで、宮城県全体としてもっと宣伝しても良いのではと感じています。