昭和の台所

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東五番丁通りからクリスロードを西に入って一本目の路地を左へ折れると右手に現れる老舗。仙台人のほとんどが目にしたことがあるのではないでしょうか。「末広本店」と「末広庵本店」。ここ何年も利用していないのですが、学生の頃は「末広本店」に何度か通ったのを憶えています。蕎麦は大人の食べ物というイメージでしたので、やはりラーメン系をがっついたのでしょう。

今ではほとんど見ることのできない、店頭のケースに飾られたメニューのサンプル群。(おそらく今も)前金で食券を買ってから席に着くスタイル。どれもこれもまさに「昭和」です。聞くところによると創業75年とか。文字通り、昭和をほとんど縦断された老舗なのですね。

是非ともこのままのスタイルを貫き通して、さらに永くその名を残されることを切に願います。

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学生時代、圧倒的な回数でお世話になったのはむしろこちらです。

北目町の「味の横綱」。こちらは「昭和」と表現するには適さないかもしれないほど、今の時代に何の違和感もなく繁盛し続けています。とは言っても創業から軽く30年以上は経過しているはずで、それだけ多くの人たちの胃袋を満たし続けてきたことになるのでしょう。

こちらは今でもたまに食べたくなって年に数回ほど伺いますが、驚くのは30年経っても値段が100円前後しか上がっていないことです。昔はほとんどのメニューが500円台でしたが、それが今でも600円台なのはご立派です。人気のうま煮そばや五目焼きそばは630円。これで支持されないはずもなく、午後2時頃まではとにかく混んでいますので相席が掟です。

これらの老舗店は、もちろん私たち多くの支持があってこそ営業し続けていられるわけですが、私たちにとっても無くなられては困るお店ということで、まさに共存共栄なのだと思います。人ごとながらも気になるのは後継者問題ですが、なんとか努力を重ねていただき、今後も末永く暖簾と味と値段を守り続けていただきたいと願って止みません。