追憶の喫茶店

私たちが学生の頃、仙台市内で誰かと待ち合わせをするポイントはいくつかありました。

駅前辺りでは青葉通りの「日立ファミリーセンター前」や「東宝前」。一番町方面では「佐々重の角」や「電力ビル1階」、「藤崎前」や「ジャスコ前(現在のフォーラス)」というケースも。

しかし今と違って携帯電話など無かった当時は、万が一にも約束の時間に遅れる場合にはそれを相手に知らせる術がなかったわけです。そこで「さてん」での待ち合わせも多用したのです。

五番丁通りから中央通りアーケードを西に入って右側に、よく利用した喫茶店がありました。たしかビルの2階に「チャーリーブラウン」、3階が「フリーフライト」だったように思います。

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おそらくこのビルだったように記憶しているのですが、現在はコレです。

この有り様では思い出もへったくれもありませんが、コレが現実です。

特に「チャーリーブラウン」にはよく行きました。当時ほとんどの喫茶店は開店時間も早く、10時頃まで「モーニングセット」というとてもお得なセットを用意していたのです。

トーストにゆで卵とサラダ、そしてコーヒーというのが標準的なセットで、300円から400円ぐらい。出勤前のビジネスマンが利用する姿もよく見かけたものでした。そう言えば「チャーリーブラウン」の店長は、とびきりのイケメンでした。ちょっとホストのお兄さん系で。

この界隈の「イル・サロット」や「ロイヤル」などにもよく行きましたし、二番丁通りを渡って左側の鳴海ビルに入っていた「モダンタイムス」などにもよく行きました。鳴海ビルにはけっこう個性的なお店が多く、喫茶店終息期の後には「H1」をはじめパスタ屋さんが何店か入りました。そして「イル・サロット」も「ヴィーノ」の名を冠してこのビルの地下に移転してきたのでした。

これらのお店がすべて過去のものとなってしまったことは非常に残念でなりませんが、私たちに対して、楽しくて美味しい思い出を残してくれたことには感謝しています。これからもいろいろなお店が私たちに安らぎと潤いを与えてくれることを願っています。