石橋屋の桜

考えてみると、日本人は小さい頃から「桜」に慣れ親しむ環境にあるのだと思います。おそらく、ほとんどの学び舎には多かれ少なかれ桜の木が植えられており、私たちは春になるたびに必ずと言っていいほどそれら桜の花を見ながら育ってきたのではないでしょうか。

私も思い出してみると、小学校にはもちろん桜の木が植えられていましたし、中学校はその町で一番の桜の名所である小高い山にありました。高校時代には大河原の「一目千本桜」を楽しみながら、これまた名所である白石は片倉小十郎の居城跡、益岡公園に通ったのです。

南北にも長い日本列島では桜の季節は地域によって様々ですが、幸いにも宮城県で桜が咲くのは少なくとも4月に入ってからです。つまり3月に桜が咲く地域は「卒業」や「別れ」といったイメージを伴うのに対して、私たちはちょうど「入学」や「出会い」といった時期に重なるので、昔から桜のイメージには明るくポジティブで、どこかわくわくするという感覚を持つのでしょう。

今日は完全オフでしたが、義母の桜を見たいというリクエストに応えることにしました。

まずは義母の家からクルマでほど近い、おなじみ榴岡公園へ。

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見事な桜と木蓮の競演。この季節、市内でも木蓮が綺麗に咲き誇っています。ところが、昨日の比どころではない物凄い混雑ぶりに、早々と退散することにしました。では、予定を変更して近くの穴場を見て回ることにいたしましょう。

仙台一高の校庭を一周する見事な満開の桜を見た後は文化町の「七郷掘」沿いへ。ここは私が初めて一人暮らしをスタートさせた思い出の地ですが、やはり桜とご縁が・・。堀に沿うように植えられている満開の桜並木が昔と変わらずに出迎えてくれました。

そして、ピンポイントの桜を見に訪れたのが、舟丁にある仙台駄菓子の石橋屋さんです。

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言葉に出来ないほどの風情です。まさに「和風総本家」。素晴らしい。

石橋屋さんの庭から七郷堀へ枝垂れるように咲くこの一本の桜は意外にも有名なので、この時期はカメラを持った人たちが入れ替わり立ち代わり訪れていたようです。

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せっかくですから、久しぶりに駄菓子を買って帰ることにしました。黄粉飴と黄粉ねじり、他を少々。実はどこかで道明寺餅でも買って帰るつもりだったのですが、試食させていただいた黄粉飴があまりにも美味しくて、「駄菓子DEお茶」のプランに変更となりました。加齢とともに、この類の美味しさが身にしみるようになったようです。

明日は天気が良ければ義母を連れて、県北の名所まで足を伸ばそうかと考えています。