カフェ・ソコ

四半世紀以上前、仙台には個性的な喫茶店がいくつもありました。

以前から仙台は、地方都市としては大学や短大、また歴史のある私学(女子高校)も多く、学生の多い街だったのだと思います。さらに当時は市街地に宮城学院(現:SS30)や白百合(現:東北電力本社)もありましたので、実際に今よりも学生が街に溢れていたような気がします。

そんな学生当時よく行っていたお店のひとつが「カフェ・ソコ」。佐々重ビルから中央通りアーケードを藤崎方向に向かい、1つ目の右角にあった「土屋ビル(手芸の土屋)」という古めかしいビルの2階にお店はありました。

▼ 写真は現在の「土屋不動産ビル」

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探偵事務所でも入居してそうなハードボイルドな雰囲気の階段を上ると、すでにネルドリップで丁寧に淹れられたコーヒーの香りが漂ってきていました。

店内は確か窓も大きくて陽の光がなんとも心地よく、妙にまったりとくつろげる空間で、ギャラリーとして壁には何点かの絵画も飾られていたはずです。

その後、残念ながらあの雰囲気のあるビル自体が取り壊され、オーナーは近くに「AS TIME」というお店を出されましたが、なんとなく今でも「カフェ・ソコ」の雰囲気を感じ取ることが出来ます。

濃口のネルドリップコーヒーを求めて、ゆったりとした時間と空間を求めて、学生から大人まで集っていた、まさに仙台の名店だったと思います。

そういえば、同じビルの地下に「無伴奏」というクラシックを聴かせる喫茶店もありましたね。

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お便り

  1. dty より:

    こんにちは
    先月は「無伴奏」を見てきましたが、え?こんな内容だったかな、と
    「恋」の内容とごっちゃになって記憶していた私でした。あの69年70年代の
    仙台は駅の暗ーい感じや湿気のある仙石線への地下通路が蘇ってきて懐かしいけど
    戻りたいとも言えないなあ、が実感です。でもあの時代を知っているからこそ
    今の仙台のスカした顔も気に入らないんです。
    この裏手に、稲垣潤一が歌ってたライブ喫茶があったのは知らなかったのです。
    亡くなった奥様のお祖父さんのビルで一階が「珊瑚」(中華)だったと思います。

    • ジョン万乃助 ジョン万乃助 より:

      dty maeriniさん、ご来店ありがとうございます。
      名掛丁が何となく薄暗かったのを憶えています。
      ハードボイルドな雰囲気でした。
      そう言えば、「珊瑚」というお店のマッチがあったような気がしますね。